パリ五輪開会式 セリーヌ・ディオン、エッフェル塔で不朽の名曲「愛の讃歌」熱唱、涙の感動で包む


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フランス系カナダ人の世界的歌姫セリーヌ・ディオン(Céline Dion、56歳)が現地時間7月26日、セーヌ川沿いで4時間にわたって開催されたパリ2024オリンピックの開会式の舞台で、圧巻の歌声で感動の復帰を果たし、式典のフィナーレを飾った。

オリンピック開会式史上初めてスタジアムの外で開催された歴史的な式典。セーヌ川での各国の選手団による水上パレード、聖火リレーの後、点火された聖火が夜空にゆっくりと浮かぶと、銀色に輝くディオールのオートクチュールを纏い、エッフェル塔のバルコニーに姿を見せたセリーヌ・ディオン。雨が降りしきる中、フランスのシャンソン歌手エディット・ピアフ(Édith Piaf)の不朽の名曲「愛の讃歌」(Hymne à l’amour)を、推定30万人以上の観客と、世界中の視聴者に歌い上げた。

〈フルバージョン動画〉【開会式】セリーヌ・ディオン「愛の賛歌」/ Tver(日本時間7月29日)

【追記】現在TVer パリ2024オリンピック特設サイトでセリーヌ・ディオンのパリ五輪開会式パフォーマンス映像「愛の讃歌」が配信中です(日本時間7月29日)。
〈TVerで視聴〉動画『【開会式】セリーヌ・ディオン「愛の賛歌」』(4:10)
〈TVerで視聴〉動画『パリオリンピック 開会式スペシャル』(2:31:19)
NHKパリ2024オリンピック特設サイトでは、全競技・種目をライブや見逃しで配信。TVer パリ2024オリンピック特設サイトも同様に、テレビで放送されない競技も、ほぼ全競技をライブ配信、競技のハイライトやセレモニーなどのダイジェスト映像を見逃し配信中。開会式の模様はTVerで。

【追記】※パリ五輪閉会式を終え、日本時間8月13日、開会式の4時間に及ぶ全映像(4:04:55)がオリンピックYouTube公式チャンネルで公開。3:57:55より「愛の讃歌」が始まります。※セリーヌ・ディオンのパリ五輪開会式パフォーマンス映像「愛の讃歌」はTVerで配信され、YouTube上では日本国内向けに制限されていました。

頭上にはエッフェル塔に取り付けられた巨大な五輪マークが白く光り輝き、雨に濡れたピアノの伴奏で、心に染み渡る魅惑の歌声で歌う。「青空が崩れ落ち/地球が崩壊しても/気にしないわ/私を愛してくれるのなら」、「世界がどうなろうとも/愛が私の朝に溢れている限り/あなたの腕の中で私の体が震える限り/気にしない/愛しき人、あなたが私を愛してくれるから」

心を奪う表情のセリーヌ・ディオンは、闘病を感じさせない魂を揺さぶる力強い歌声で、最愛の人に宛てた生死を超える永遠の愛の讃歌を半世紀以上を経て、雨降りしきる愛の都に響かせ、感極まるそのラストは涙を誘った。

「いつの日か、人生が私たちを引き離すとしたら/もしあなたがこの世を去り、遠く離れたとしても/愛してくれる限り、気にしない/だって、私も一緒に行くから」、「私たちに永遠が訪れる日が来る/広大な青空の中/その空に障壁なんてない/愛しき人、私たちの愛を信じてる?」、「神様はいつも、愛する者たちを再会させてくれる」

セリーヌ・ディオンは2022年12月に、痛みを伴い進行性の筋硬直や筋痙攣を引き起こす難病の自己免疫疾患、スティッフパーソン症候群の診断を受け闘病中であることを告白、声帯をコントロールするのが難しくなり、闘病に専念するためツアーをキャンセルするなどその後音楽活動を停止した。 NBCのホダ・コットとのインタビューで セリーヌ・ディオンは「首を絞められているような感じ」と語っている(NBC / TODAY)。

その闘病生活に迫ったドキュメンタリー映画『アイ・アム セリーヌ・ディオン ~病との闘いの中で~』(原題:I Am: Celine Dion)は先月6月25日よりPrime Videoで独占配信を開始。壮絶な闘病のなか、このドキュメンタリーでセリーヌ・ディオンはステージへの復帰を誓い、「走れなかったら歩きます。歩けなかったら這っていきます、決して諦めません」と語っていた。

最後にライブを行ったのは、2020年3月8日、ワールドツアー『Courage World Tour』のニュージャージー公演で、4年ぶりのパフォーマンスとなった。セリーヌ・ディオンがオリンピックの舞台に立つのは、世界35億人以上のTV視聴者の前で披露した1996年のアトランタオリンピックの開会式での「The Power of the Dream」(パワー・オブ・ザ・ドリーム / 夢の力)以来で、28年ぶり2度目となった。

セリーヌ・ディオンのこの復帰パフォーマンスは秘密にされていたが、宿泊ホテルのラッフルズ ロイヤル モンソー パリに出入りする姿が目撃され、その可能性が一斉に報じられた(記事)。2015年にセリーヌ・ディオンはアメリカン・ミュージック・アワードで「愛の賛歌」を歌い、パリ同時多発テロで最多90人の犠牲者を出したバタクラン劇場での犠牲者に哀悼の意を表した。

開会式のパフォーマンスに先立ちセリーヌ・ディオンは25日、自身のInstagramでルーブル美術館で展示されている芸術作品を鑑賞する写真を添えて、「パリに戻るたびに、世界にはまだまだ体験すべき美しさや喜びがとてもたくさんあることを思い出します。私はパリが大好きで、戻ってこられてとても嬉しいです。ルーブル美術館の素晴らしい友人たちに感謝します」とコメント。

またパフォーマンス後、「My Heart Will Go On」の歌姫は自身のInstagramで次のようにコメントしている。「今夜、パリ2024オリンピックの開会式でパフォーマンスを披露できたことを光栄に思います。私が最も愛する街の一つに戻ってこられて、喜びで溢れています。」

「そして何よりも、素晴らしいアスリートの皆さんを、その犠牲と決意、痛みと忍耐のすべての物語とともに祝福できることを心からうれしく思います。皆さんは夢に向かって一生懸命励んできました。メダルを持ち帰るかどうかは別として、ここにいるということ自体、夢が叶ったということだと私は願っています!皆さんは誇りに思うべきです。皆さんが最高の選手になるためにどれだけ努力してきたか私たちは知っています。集中して、進み続けてください。私の心は皆さんと共にあります。」

また自身のXでセリーヌ・ディオンは「大会の始まりです!🏅すべての競技者に愛と幸運を送ります。 – セリーヌ xx」と選手にエールを送った。

パリ五輪開会式では、式典の最初のステージで、キャバレー風のディオールの特注衣装を身に纏ったレディー・ガガ(Lady Gaga)がセーヌ川沿いの階段でキックオフ。ピンクのポンポンを持った大勢のダンサーとともにフランスのバレエダンサー、女優、シャンソン歌手のジジ・ジャンメール(Zizi Jeanmaire)に敬意を表して、その1956年曲「Mon truc en plumes」をフランス語で披露し魅了した。レディー・ガガは現地時間22日月曜日に現地入りしているが、AP通信によるとこのパフォーマンスは事前収録だったという(AP)。

【追記】日本時間7月28日、レディー・ガガ(Lady Gaga)が自身の公式チャンネルでパリ五輪開会式で披露した「Mon truc en plumes」のパフォーマンス映像を公開。

レディー・ガガはパフォーマンス後に自身のSNSで「今年、パリオリンピック2024のオープニングを任されたことに心から感謝しています。フランスの人々とその素晴らしい芸術、音楽、演劇の歴史を称えるとても特別なフランスの歌を歌うよう、オリンピック組織委員会から依頼されたことにも、光栄に思います」、「この歌は、パリで生まれたフランス人バレリーナ、ジジ・ジャンメールが歌った曲で、1961年に”Mon Truc en Plumes”を歌ったことで有名です。タイトルは”羽のついた私のもの”を意味します。彼女との関わりは今回が初めてではありません。ジジはコール・ポーター(Cole Porter)のミュージカル『Anything Goes』に出演しており、そのタイトル・ソングが私の最初のジャズカバーでした。」

「私はフランス人アーティストではありませんが、フランスの人々やフランス音楽を歌うことに特別な繋がりを常に感じてきました。フランスの人々の心を温め、フランスの芸術と音楽を讃え、そしてすべての人にパリが地球上で最も魔法のような都市の一つであることを思い出させる記念すべき特別な機会になるようなパフォーマンスにしたいと心から願っていました。」

「皆さんも私と同じくらいこのパフォーマンスを気に入ってくれると嬉しいです。そしてフランスの皆さん、皆さんに敬意を表して歌うために私をフランスに迎え入れてくれて本当にありがとう。これは一生忘れられない贈り物です!今年のオリンピックに出場するすべてのアスリートの皆さん、おめでとうございます!皆さんのために歌い応援できることは、この上ない名誉です!!オリンピックを観ているといつも泣いてしまいます!皆さんの才能は想像を超えています。さあ、競技を始めましょう!」

開会式ではフランス系マリ人のR&Bスター、アヤ・ナカムラ(Aya Nakamura、本名Aya Danioko)も出演し、「Pookie」や「Djadja」など自身のヒット曲メドレーを披露した。

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